泥より出でて泥に染まらず

底なし沼で立ち泳ぎしてるアラサー女のぼやき。

真綿で首を絞めてくように

少しずつ私は私を殺しているのかもしれない、と思うことがある。

緩やかな自殺。


一応これでも全く死ぬつもりは無いし、死にたくもないけれど、日々のささやかな選択や歩みが自死へと近づけてる気がすることがある。


例えばメンヘラでも働ける仕事を探してライト風俗を始めたこととか。

例えばお金に困って結局デリヘルも始めたこととか。

例えば手持ちのお金が無いのに収入を見越して大きな買い物をしそうになってはギリギリでキャンセルするとか。

例えば風俗業だと生理期間中は大抵働けないから強制的に約一週間休むことになるとか。

例えば税金や所得関係の書類がいずれ自宅に届いて母への所得隠しがバレるんじゃないかとか。

例えばストレスで胃腸がちゃんと動いてくれず便秘も酷いし肌荒れが最悪で自分の商品価値が下がると思うと泣きたいとか。


例えばなんでも打ち明けられる唯一の相手だった人と疎遠になってしまって友達らしい人がいないことに気付いたとか。

例えば寂しいと思っても彼氏は作りたくないし作れたとしても付き合いを続けられる自信ないし風俗やってると性的な事は全部お仕事にしか思えないしとか。

例えば大好きな人がいても遠すぎて届かない人だしそもそもこんな私が近付こうだなんておこがましいとか。

例えばもし私が普通のOLとかならまだ何かしらの希望があったのかなとか。


例えばどうして普通の仕事ができないんだろうとか。

例えば何のために何を楽しみに生きているんだろうかとか。

例えばこの先どうやって一人で親の面倒を見て諸々の後始末も引き受けるかとか。

例えば今後メンタル面の調子が悪化して今よりも更に働けなくなったらどうしようとか。

例えば歳を重ねて風俗で働けなくなったらどうやって収入を得て生きていけばいいんだろうとか。


そんな小さな事柄がそれぞれにジワリジワリと私の足元を削り落としていく。


駅のホームで電車を待つ時、疲れきった私は大袈裟に白線の内側にしっかりと下がって待つ。

足が、身体が、心が、無性にうずうずザワザワして何かの抑制が利かなくなりそうで恐ろしいのだ。


ぽん、と一歩踏み出しそうになるのを必死に抑え、目を瞑って全身を硬直させて電車が完全に止まるのを待つ。


これだけは絶対にやってはいけない終わらせ方だし、まだ私は終わらせてはいけない。

何があるからとかではないけれど、まだ何かあるかもしれないから、まだ終われない。

まだ此処で息を止める訳にはいかない。