泥より出でて泥に染まらず

底なし沼で立ち泳ぎしてるアラサー女のぼやき。

睡眠薬はもう飲んだ

「どうやったら眠れるの?」

「目を閉じたら眠くなって、そのうち眠れるさ」

「でも、目を閉じるのが嫌なの」

「どうして?楽しい夢が見れるかもしれないじゃないか」

「だって、目を閉じたら見えてしまうんだもの。今日あった色んなこと、嫌なこと、これから先の不安なこと、怖いこと、悲しいこと…」

「だから目を開けて、違うものを見続けてるのかい?」

「そう、ずっと逃げてるの。こうして他のものを見ている間は心配ないから」

「でも、それだといつまで経っても眠れないだろう?」

「だから困ってるの。いっそ気絶してしまえばいいくらい。…ねぇ、もうそろそろ飽きてきちゃった。今度は何を見てればいいかな?」